メダムK (その2)

2011.10.11 Tuesday

 


作品のコンセプト文を書くのが嗚咽するほど苦痛です。
という理由から、以前記者会見で試した手紙形式コンセプト(“player alien”2005)は、ストレスを極力抑えつつ伝えることができました。今回はさらにゆるく、友人に宛てたメール風で書いてみます。ところどころ言葉遣いが荒い部分もありますが、ライブ感だと思って受け流してください。


 


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6月初旬に2ヶ月間のフランスレジデンスから戻って、6月中旬に「黄金町バザール2011」の初打ち合わせ。そこでは展示場所の候補や通勤制作できるスタジオについての話をしたくらいで、私も具体的な作品プランはまだなかったよ。


フランスレジデンスでもそうだったけど、このときも猛烈に手作業を欲していたんだよね。もう、それは個人的事情としか言えないや。震災も関係しているだろうし、その前から続く個人的な何かがあったかもしれない。というか、過去形じゃなくていまだに続いているんじゃないかな。わかんないけど。でももうそのままの自分でやるしか、生きるしかないよね。良くも悪くも誤摩化せない。


環境云々の前に、作品のコアはそのへんにあるんだと思う。


 


6月末に展示場所(高架下空地)のロケハン。聞いていたよりだいぶパンクというか、“鉄男”的というか、世紀末的というか...。それが最初の印象。柱。鉄板の囲い。どれも取り除くことはできない。柱には何も触れてはいけない。隙間産業にいる私が挑む、マジの隙間構想。


結論としては、そんなんも全部ひっくるめて魅力的なロケーションだなって思った。来年にはもうなくなっちゃう場所だし。


ただあの構造物を思うとね、わかるでしょ?あの存在感に自分の作品が打ち負かされるところを想像しただけで胃がキリキリする。そんな緊張感ってなかなかないよ。


で、何よりいちばん重要な要素はその場所にかつて特殊飲食街が密集していたってこと。


 


「メダムK」のメダム(Mesdames/Mmes.)はマダム(Madame)の複数系で、ミセス(Mrs.)の複数形としても使われる。Kは黄金町のK。つまり黄金町で働いていた女性達を指したタイトル。


でも実際、私が黄金町を訪れたのは去年が初めてで、彼女達に関する知識なんてほとんどない。つい最近まで続いていたのに見たこともなければ、会ったこともない。人づてに当時の話を聞くのがせいぜい。


そう、ここもやっぱり、そのまま今の自分でアプローチをするしかない。これこそ誤摩化せないし。


で、高架下の30分の1の模型を作りながら考えて、ぽつぽつでてきたこと。


 


(つづく→)


 


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“メールを宛てた友人”さえも、妄想です。