Kubelko Bondy

2019.11.22 Friday

 

まずタイトルだけ切り抜いてみても、いい言葉だなと思う。

苦笑いしたくなるような、ふと遠くを見てしまうような。

そこに何やら、かすかな温度を感じるのは私だけだろうか。

「悪い」と言いながら、そんなに悪く思っていない感じ?

自分の思い出に合わせて、どうぞ「男」か「女」どちらでも。

 

「最初の悪い男」 ミランダ・ジュライ  岸本佐知子 訳

 

 

彼女が監督・主演した映画はたぶん1本しか見ていないと思う。

なのにこの人が書いた小説を読み始めると、どれも主人公がミランダ・ジュライ本人になってしまう。

一度頭の中にその映像が流れたら止められない。

本人以外の主人公を思い浮かべるのは難しい。

とくにこの作品は著者にとって初めての長編小説なので、おそらくこれまで以上に “本人度”  を高めに書き上げたのではないか。と勝手に推測している。

ページ的な長さと登場人物たちが過ごす時間の長さ、両方が相まって、読了したときには映画館でがっちり1本観たあとのような感覚が残った。

それはそれは楽しい時間だった。

 

 

妄想癖のある40代の中年独身女性が、現実のなかで妄想を超える出来事に遭遇し、人生がひっちゃかめっちゃかになっていくストーリー。もし映画だったら多種多様な効果音を駆使しなければならないような場面の連続。

途中読者としてヒヤヒヤしたものの、最後にはわたし好みの着地をしてくれた。

たくさんのオモロ切ない場面のなかでも、クベルコ・ボンディ(9歳のときに出会い生き別れとなった運命の赤ん坊。←もちろん妄想)のくだりが好きすぎる。

これを読んだ春以来、私も姪っ子のことを心のかなで呼んでいる。

 

わたしのクベルコ・ボンデイ・・・。       (自分で打っててちょっと怖い)

 

クベルコ・ボンディについて考えていたら、オーエン・ミーニー(「オウエンのために祈りを」ジョン・アーヴィング)のことを思い出した。

 

突拍子もない出来事が次々起きてこちらを苦笑させ戸惑わせるのに、実は主題が壮大で超がつくほど真面目。

で、

「ああそうだった。現実って突拍子ないことだらけだった。」

と読んだ後もじわじわさせる。

 

そこがアーヴィング作品に似ている。

だから好きなのかもしれない。

いや、ただわたしが自分の好きな作家を無理やり繋げようとしているだけかもしれない。

…とかなんとか好きと好きが繋がるかもしれないふふふふとぼんやり考えている時間が最高。

です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今年はこの人のユニクロTシャツたくさん着た