バンガロール滞在(制作展示編)

2020.01.19 Sunday

 

 

 

 

 

 

 

昨年の11月下旬から1ヶ月、インド・バンガロールのSrishti Institute Of Art, Design And Technologyのゲスト講師を務めた。

Srishti大学は、毎年授業の一環としてINTERIMというアートフェスティバルを企画している。

そのためのゲスト講師として国内外から17人ほどのアーチストが招聘される。(イギリスからの参加がとても多い)

アーティストは、事前に制作テーマやプランを大学に提出し、大学側とメールで打ち合わせをする。

学生たちはリストになったそれらアーティストの活動履歴、テーマ、制作内容を読み、自分はどのクラスに参加するか決める。

分野は大きく分けてふたつ。

FOP(festival of performance)というパフォーマンス系クラスと、FOI (festival of ideas)というビジュアルアート系クラス。

学校の授業形態のなかで行われるから、4週間という期間は引き延ばし不可、担当した学生の成績も付けないといけない。

なかなかハードなスケジュールだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の場合は

「バルーン作品を制作してもらば、そのあと一緒に外で撮影ができるな。インドの風景楽しみ。ふふふ」

ぐらいの目的で [Our Scenery] というテーマで内容を決めてしまった。

最初は私の過去作品をコピーして制作してもらおうと思っていた。

が、学生と副担任の先生の意向で、Our Sceneryクラスのオリジナルの新作を作るということに決まった。

盛り上がる副担任と学生たちを眺めながら、

20人の学生の意見(アイデア)をまとめることなんてできるの?

20人が仮縫いとかミシンとかやるの?

と思ったりしたけど、結局は堂々と見切り発車した。

かのインドに来て、“なるようになるさムード ”に乗らない手はない。

まずはチャイでも飲んで、それから考えようよ。

てな感じで、どんな状況下でも糖分を摂取しながら進むのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1週間目は、私の過去作品のプレゼンテーション後、実際に作品に触ってもらって中に入ってもらったりの体験。

その後、小さくリサイズした型紙での演習。

そして、今回制作するオブジェはどんなものがいいか、1人ずつコンセプトと形についてのプレゼンテーション。

何か作ったり描いた途端、口数がいっきに増える学生多い。(わかるよ!)

出てきたアイデアをタイプ別で分けて、みんなで考える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2週間目。先週から持ち越したアイデアをさらにタイプでまとめ、2つのグループにする。

2つのグループによるプレゼンテーション。

最終的には、所々譲り合い、認め合い、混ぜて捏ねて、ひとつにまとまった。

 

メトロの駅構内での展示を通して知らない人々と出会いたい。

ドーナツ型の形は、バルーンの中で知らないだれかとすれ違えるように。

最終的に決定した彼らのコンセプトワードは 「Serendipity」。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マケットの制作。

このあたりが一番苦労した。

材料も大学の周りで揃うものに限りがあり、いろいろ手惑う。

学生たちは、やったことのない(しかも地味な)作業に、飽きてしまったり、眠くなったり、モチベーションが下がりまくり。

見かねた私は「私の作品にしちゃうけどいいの?」とマケットを取り上げ、普段の制作どおり無言で40分ほど作業をしてしまう。

数人の学生は「リサ、怒った?」と感じ気を使って見守り、

数人は「リサ、サンキュ!」と逃げるように休憩に(戻ってきたけど)。

こんなムードの日、実行委員がドキュメント撮影に現れ、サイトやInstaに作業の様子が残っている。

今思うと、記念すべき大変な日を記録してくれて嬉しく思う。

それに、この日を境に彼らの自主性が強まったのは確か。

 

 

 

 

 

 

(C)Rammit

 

 

 

 

 

 

 (C)Hima

 

 

 

 

ラミとヒマは、そんな状況の私を絵にしてくれた。(嬉)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3週間目、型紙の制作は学生に任せて、私と副担任は生地屋街に生地を探しに。

あきらかに時間がない。

やっぱり学生が今からミシンの使い方を習って作業をするのは無理だとうと、裁断と縫製はプロに任せることになる。

大学の近所のテーラーさんに作品の形を説明しに何度か出向く。

店主は、こんなのやったことないな・・・と、ちょっと困った表情で引きうけてくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、最終週。

テーラーさんたちに大学に居残ってもらい、修正を繰り返しながらの完成。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

喜びの集合写真はバルーンのなかで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

展示が始まる二日前に、Chickpeteという駅の敷地で屋外撮影。

この周辺は、バンガロール最大のマーケットで、人の数、物の数、店の数、全てにおいて最大。

おそらく渋滞もバンガロールで1番。(ちなみにバンガロールはインドで1番の渋滞シティである)

せっかくなら、ここで撮影したいよね。というクラス全員の総意で決行。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アートフェスティバルInterimが始まる。

Our scenery クラスの展示場所は、 メトロのVijayanagar駅。

2日間、10時ー19時まで学生たちは交代で作品の説明にあたった。

コンセプトや作品の経緯、Srishti大学について、Risa Satoについての説明をし、作品の中に人々を招く。

たくさんの人々が作品の中を通過してくれた。

お客さんと話し続け、学生たちはみんなヘトヘトだったけど、再会したときその話ができると思えば悪くない。

ともかく彼らが最初の週に「こうしたい」と言っていたことが叶って、心底ホッとした。

 

当番が終わった学生は、そのまま実家に帰省したり。

お別れの挨拶はこの駅で。

私は翌日のフライトで。

 

 

 

 

 

 

 

 

もうちょっと居たかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

謹賀新年

2020.01.11 Saturday

 

昨年は後半から、自分にとっては大変なことが続き、朝起きあがるときに「サトウリサ、ガンバレ」と声に出し、己に声援を送ってから稼働するような状態だったから、出発直前まで “初めてのインドに一ヶ月滞在なんて大丈夫かしらん?” とぼんやりとした不安を抱えていたはずなのに、到着したらそんなものは吹っ飛び、毎日学生たちに「リサリサリサリサリサリサ・・・リサ?」と名前を呼ばれながら、観光する時間も無いような制作サポート業務を必死にこなした結果、当然、身体は疲労困憊しているのに、不思議と気分はとても軽い!(ついでに肩凝り無し、頚椎好調)という状態で帰国できたのは、学生をはじめ出会った人たち、目撃した全ての生命から受け取ったエネルギーと、日々の食事とチャイから摂取していたマサラが私の細胞を活性化してくれたためだと思う。

(インド滞在についてはまたこんど)
帰国して3週間弱、成田に着いたときの「パースと清潔が目にしみるぜ」感は消えたけど学生たちの声はたまに聞こえる。

 

今年はそんなお正月 in 地元。

 

 

 

 

 

 

本年も宜しくお願い致します

 

さとうりさ

 

 

 

 

 

日本でもそう呼ばれたいけど無理よね。

 

 

 

 

 

 

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