3月の福岡(つづき)
2017.04.15 Saturday
角さんに、”ぶらぶら散策おすすめスポット”を聞いてみた。
角さん曰く
「B級スポットだと、ウチ(不思議博物館)と三浦鏝絵美術館が有名。」
ということなので、次の日行ってみた。
博多駅から鹿児島本線に乗って、水城駅下車。(20分)
そこから徒歩。
途中の道で、遺跡発掘現場に遭遇。
福岡ではよくある風景だそう。
「掘り始めたものの、予想以上に大掛かり(広域)になりそうだ。。」ということもよくあるそうで、
そんな時はそのまま土を戻すらしい。
10分もしないうちに鏝絵美術館は住宅街の中に突然現れる。
けど、馴染んでいるとも言える。
鏝絵とは、壁に塗る漆喰の材料を使って鏝で盛り上げた絵。
漆喰はもともと当て字で、石灰(セッカイ)がなまったもの。
(鏝絵美術館内の説明文より抜粋)
運が良ければ三浦館長に会えるみたい。
息子さんのかな。
3月の福岡
2017.04.14 Friday
3月某日、福岡在住の作家・角孝政さんに会いに行ってきた。
これまで同じ展覧会に出展したことがあったり、福岡市美で作品を拝見したことはあったけど
お会いするのは初めて。
角さんは作家活動と並行して 不思議博物館 を運営する館長であり、
天神にある 不思議博物館分室/喫茶・ギャラリー サナトリウム のオーナーでもある。
一度ここを見てみたくて、仕事を口実に来てしまった。
不思議博物館の中はたくさんの作品が詰まっていた。
ひとつひとつの作品の説明や制作方法を本人から聞く贅沢。
怪しく怖いような作品もたくさんあるのに、なんだか居心地がいい。
そこが不思議。
シラミ関連作品、好き。
成田亨さんへの愛を語る角さん。
所蔵作品のなかには、小沢巨匠の「なすび画廊」も。
中の展示作品は衝撃が強くて画像は出せませぬ。(展示作家・根本敬さん)
サナトリウムに行くと不思議子(ふしぎこ)ちゃんに会える。
作りたい!→ 作った!→ 見せたい! という直球の清々しさよ・・・
帰りしな自分の制作環境について、悶々と考え込んでしまった。
・・・のもつかの間、私の足は胡麻鯖パトロールへと向かっていた。
鳥の名は・・・
2017.04.04 Tuesday
去年の春ごろ、いわゆる電子書籍リーダーを買った。
きっかけは絶版になった本が、電子書籍になっていたから。
一年ほど使って便利に感じた点は、
暗い部屋でも明りを気にせず読めるところ。
他の荷物との摩擦を気にせずポイっとリュックに放り込めるところ。
絵の具や削った粉が付いても、ちょっと拭けば済むので作業場でも気楽に使えるところ。
あとは、海外滞在中の「なんか読みたいなあ」に対応してくれるところ。
昨年の中国成都での滞在には、電子書籍リーダーと文庫本を3冊ほどを持参した。
この3冊は読んでは誰かにあげ、また古本屋で買って、またあげて・・・というお馴染みのメンツ。
今回も帰国する直前、通訳の女子大学生Sさんに全部差し上げたら、
「りさ!わたし!しあわせです!」と言って受け取ってくれた。
私がその本を初めて読んだのも大学生時代だったことを思い出し、なんだかこちらもしあわせになった。
(ちなみに彼女は私が「バカ殿」の声真似をすると、顔を真っ赤にして涙をにじませ笑う。)
成都滞在も半分が過ぎた頃だったか、
文庫本を読み終わってしまった私は、試し読み版「ゴールドフィンチ/ドナ・タート」をダウンロードしてしまった。
そこから夜な夜な・・・1巻ポチ、2巻ポチ、3巻ポチ・・・
・・・気がつけば5,000円ちょい。きゃー。
「ゴールドフィンチ」とはカレル・ファブリティウスによって描かれた絵のタイトル。
つまりこの絵と、この絵に魅了された主人公テオの壮絶な物語。
「ゴールドフィンチ」とファブリティウスに関するエピソードはもちろん、
美術館や家具修理の作業場などの空間の描写も読みどころのひとつ。
私はよく小説や映画に「アート」が出てくるたびに、気持ちがザワザワしてしまう。(しませんか?)
でもこの小説は読み始めてすぐに、このザワザワは消え去った。
とくに終盤、画家と絵についてのテオの語りは何度か読み返したほど。
スゥーーーンという気持ちにさせてくれる。
ということで
成都での熱帯夜の記憶には、雪のNYとラズベガスの砂漠のイメージが混ざり合っている。
でもやっぱり電子書籍は実像がないのがどうも寂しい。
ひとくち食べて美味しいものは齧った断面を見たい。
美味しいお酒の色にも見とれたい。
新刊の甘いにおい。
古本の酸っぱいにおい。
ブックカバーの折ったりつけたりはずしたり。
はいはい、適宜お好きなように。