図案の心は・・・

2012.01.21 Saturday

 


 先週、森美術館で開催されていた『メタボリズムの未来都市展』を最終日前日に駆け込んで見てきました。


人混みの隙間から、入り口の展覧会概要を読んでいたら、栄久庵憲司氏の名前が。


驚いた、というより自分の無知っぷりが恥ずかしいく、数分落ち込みました。


氏がメタボリズムのメンバーだったを知らずにいたのです。


 


 


栄久庵さんがどういう方か手短かに説明いたしますと...


インダストリアルデザインの神。


GKグループ代表。


私のようなフニャフニャ人間からお話するのも恥ずかしいので、自分で調べてくださいませ。


 


私が東京芸大デザイン科だった頃、ゲスト講師として栄久庵氏(当時70歳前後)の授業を受けたことがありました。氏は仙人のような髭をたくわえ、声も大きく、明るく楽しそうに話をされていたのを憶えています。


当時、私が在籍していたデザイン科は ”平面” と ”立体” に分かれていて(ざっくりし過ぎやろ)、自分は”立体”専攻だったから、その授業を受けたのかもしれません。(が、違うかもしれません)←ダミだこりゃ。


 


展示の後半に、氏のインタビュー映像が流れていました。


当時の髭は剃ってしまったそうですが、印象は変わらず、どこか柔和で聞き手を引き込む口調は変わりませんでした。


 


展覧会場を出てすぐのミュージアムショップでこの自伝を買いました。


手に取って、最初のページから面白かったので即決です。


でも「我々のデザインで世界を変えよう」とGKを設立した学生時代の章を読んだときは、複雑な気持ちになりました。


恐れ多くて、氏と自分を比べるのはとてもできません。が、読み進めるたびに自分の ”ダミだこりゃ” な学生時代のあれやこれやを、ぽんぽんぽんぽん思い出し...ドンヨリ。


なんであんなどうでもいいことを悩んでいたんだろ。


デザイン業界の方でなくても、「モノつくり」に携わっている方なら興味深く読めると思います。大きいお話ですから。


 


 


思うところあって、卒業以来一度も芸大上野校舎を訪れていないけど、こんどフラっと行ってみようかな。


いろいろどうでもよくなってきました。


 


 


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いつまでもあると思うな親と金と師。


 


 


ウルトラマリン

2012.01.13 Friday

 


数年前から、気まぐれに木版画で年賀状を作ったりします。


去年の暮れは「今年はサ〜ボろ。」と決めてたのに、やっぱり年賀状をもらってしまうと返事を書きたい。


かといって事務的な作業になってしまうのも嫌なので、結局彫りました。


夜な夜な、カリッ、カリッ、カリッ....     ひーっ!


 


のろのろと3枚の版のズレを直しては彫り、絵の具をあーだこーだ変えて、調子が出てきたと思ったら指をサクっと切って血が出たよ。


そんな時間、嫌いじゃないぜ。


 


私が小さい頃、父親がよく木版画で年賀状を作っていました。


家にカラフルな版たちが何年分かあって、それを見るのはなんだか楽しかったです。


版だけ見てても何の絵だかサッパリわからない。でもそれが楽しい。


木の版は、刷り終わってからも物的に魅力的。ハガキサイズでかわいらしいし。


と、いうことで年賀状を頂いた方に寒中見舞いとしてお出ししようと思います。


そして今年の暮れには、再び彫ってみせます年賀状。


 


そうそう。友人知人の皆様、私から年賀状が届いても届かなくても気にしないでくださいね。


ただの趣味ですから。


ついでにFacebookの「いいね!」を押す押さないも気にしないでください。


もひとつおまけにTwitterのフォロー・アンフォローもリプ有り無しも気にしないでください。


ただの幻影ですから。


 


 


それにしてもポスターカラーの彩度ったら! しびれます。


写真はターナーのウルトラマリンです。


 


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カーーーン! カーーーン! カーーーン!           ※これは呪いの藁人形


 


 


 


正月ヲ栽培ス

2012.01.05 Thursday

 

新年あけましておめでとうございます。

 

お酒を飲んでいる状態ではブログを更新しないと決めています。

そのため、5日も過ぎての御挨拶となってしまいました。反省しません。あは!

 

ここ数年、お正月の雰囲気というのは自分で獲りにいかないと獲得できないんだなぁ、と痛感しています。
ちゃんと前もって準備というか育てるような気持ちがないと、スルっと逃してしまいます。
子供の頃は、向こうから勝手にお正月が ”のっし、のっし” とやって来たのに。
しかもちょっと偉そうに。

 

今年もさっぱり育てられなかったので、せめて意識的になってみました。

「今から実家に帰ります!」とお向かいさんに宣言して隣県の実家に帰り、
「あんた誰?」と言いながら紅白を見、
除夜の鐘だか父の鼾だかわかんないノイズとともに年を越し、
元旦には家族で初詣に行ったものの行列を眺めてお参りせず帰宅し、
お雑煮を食べました。(このあいだ、ずっとアルコールが入っています。)

ええ。楽しかったですとも!

でも来年はもうちょっと正月に媚びたい...

 

 

 

去年の課題や不安も持ち越しつつですが、新たな気持ちで始めます。(ましょう。)

 

本年もよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

みなさんの願いが叶う一年となりますように。

 

 

 

2011年1月5日

 

さとうりさ

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