世宗 ⇄ 黄金町
2019.11.13 Wednesday
今年の8月、韓国のジェイ(Lee JongHyun)さんの企画するMAMMA projectというレジデンスプログラムに参加した。
8月に横浜から私と本間純さんがセジョン(世宗)に10日間滞在。
10月には世宗から映像作家のCheong Ilhwanさんと、陶芸家のChun Youngokさんが一週間弱の滞在。
それぞれ滞在の最後には活動についてのプレゼンテーションをし、終了後に準備しておいた日韓の料理で交流会を開催した。
“ コミュニティにとって共に料理をし食事をする間に交わされる会話が何より大事。
だからその場所と機会を作るのが私とアーティストの役割 ”
そう繰り返すジェイさんは、現在のスタジオを構える前、チョンジュ(清州)で《653 art firm》スタジオを運営していた。
当時、韓国のテレビ局が制作したジェイさんのドキュメントがあり、そこでは地域住民とのプロジェクトの活動内容、彼がずっとお手本としてきた黄金町エリアマネージメントの活動、その共通点が丁寧に取材されていた。
それを見たらジェイさんの目指しているものがよくわかった。
知り合って長いけど、知らないことがたくさんあったのだ。
自宅の鍵の開け方を、知り合いみんなにほいほい教えてしまうところや、門を入るとすぐ中庭でコーヒーを淹れてあげられるようになっているのも、地域コミュニティの在り方にこだわるジェイさんらしい。
今回、私と本間さんを参加アーティストとして指名した理由も
「黄金町でよく鍋担当していた2人だから」
と直球で返す。
セジョン滞在の最終日、クリエイティブシティ・ヨコハマと黄金町のプレゼンテーションをしに来た山野さん。
“初めて山野さんに会いに行ってからここまで、7年かかりました…。”
とつぶやいたジェイさんの様子が印象的だった。
私たちがセジョンに滞在していた時期、双方で日韓関係についての悪いニュースばかりが流れていた。
帰国後、韓国に対しての信じられない言葉を実際に聞いたり、プロジェクトについての揶揄?みたいなのもあった。
おどろいた。
けして関係なくはない。
それは分かっている。
やってきたことを、やってきた人たち、さらに繋がるこれからの人たちと続けていく。
どの国の人であっても、〈孤独〉と〈共有〉を信頼している人を信頼する。
ね!
(네!)
※写真提供;黄金町エリアマネージメント事務局・本間純・さとうりさ