こはち古墳(5)

2012.07.09 Monday

 

そして2012年、ヴァンジ庭園美術館「庭をめぐれば」展に出展させていただくことに。

Camacでの作品は現地に残してきてしまったので、只今「庭をめぐれば」展に出ているものは、
この展覧会用に制作したものです。


たくさんの来場者の方に抱きついてもらえるよう、丈夫なつくり。

たまに虫がとまっていたりしますけど、それも込みで「庭めぐり」を楽しんでください。

私も月に一度は行きたいなぁと思っています。

偶然お会いしたら、上手く乗るコツを教えてさしあげましょう。

 

「ちがう、もっと!もっとひらいて!」

 

と、カメラぶら下げたうるさい女がいたら、それが私です。

 

 http://www.vangi-museum.jp/kikaku/120421.html

 

やってますねぇ!

  Kohun5-2

 

 

 

 

 

沼津港で刺身定食。

 

 

 

こはち古墳(4)

2012.07.02 Monday

 


そして2011年の4〜5月、Camacのレジデンスプログラムに入りました。


この時期は、緑が美しく本当にいい季節。


毎日、走って、作って、食べて、飲んで、喋って...と、2ヶ月なんてあっという間でした。


 


 


滞在して1ヶ月が経過した頃、突然個展をやらせてもらえることになり、急いでタイトルを決め、急いで自分撮りしたのが、この写真。(まだ制作途中で、発砲スチロールむき出し)


60枚以上撮っているので、少なくとも30回は飛び乗ったわけで。股関節のいいストレッチになりました。


こふん1


 


 


そしてこれがオープニングが始まる直前、代わる代わる他の滞在アーチストに乗ってもらいました。代表してディレクターの写真。(表面をコーティングして布でフィニッシュしています)


  Kohun2


 


 


Camacにはギャラリ−もあるので、過去の平面作品などをパリのギャラリーから借りてきて展示をしました。懐かしいビデオ作品も。


  Kohun3


 


 


 


以下が個展〈 1:17 〉についてのステートメント文です。(サイトのインフォにも載せてましたが)


 


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パブリックアートもまた、プライベートな体験であるべきだと思っています。


私には将来実現したいパブリックアートのイメージがあります。


それは古墳のように巨大で、人々は全体を見渡すことがきません。


もしかしたらその状態は私達が “生” や “死” や “自然” と向き合ったときと似ているかもしれません。


今回展示するオブジェは、その実現させたい巨大なパブリックアートの17分の1スケールのマケットです。


マケットではあるけど、鑑賞者はこの作品に抱きつきながら、CAMACアートセンターの庭を堪能することができます。


私の作品を見て、触れることで、”あまりに巨大で見えない何か”を感じてもらえたらと思っています。


そして将来、この作品が1:1スケールで実現するための証言者となってください。


 


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2010年のレジデンス応募時に書いたプロポーザルと違う点は、


捉えることのできない巨大なものとして “自然” が加わったこと。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


今でもふと思い出す、早朝ジョギング、鳥の声。


 


Kohun4


 


 


 


 


 


こはち古墳(3)

2012.06.26 Tuesday

 


明けて2010年。


さて、次はどうしたものか…。


と考えながらレジデンスプログラムに応募してみることにしました。


めでたく審査を通ったのが、フランス・オーブ県 Marnay=sur=Seine にあるアートセンターCAMAC。


ここでは毎年7月に “ TENOT財団奨学金 ” の公募があり、受かれば 2ヶ月間の滞在中の宿泊費と食費が免除されます。(ちょうど来月締め切りです)


私がこのレジデンスを選んだの一番の理由は、ここの庭が使いたかったらから。


屋外に設置する作品プランを出しました。


 


写真が応募時のプロポーザル(A2)の一部。


このドローイングの脇に


「私は将来、全貌を見渡すことができないくらい巨大な作品を作りたい。


そのことは私たちが“生”や“死”を完全に理解できないのと似て、


この作品は触れた人々に、全体を想像する力と深い静寂を与えてくれるでしょう。」


と書きました。


そしてこの滞在では、将来の巨大作品のためのマケットとして屋外作品を制作したい。と。


プランに賛成してくれたディレクターは「必要な材料を提供してくれる企業もあるかもしれないから、なるべく早く教えてくれ。」なんて言ってくれましたが、まぁ、そんな上手くいかないです。


結局2010年の暮れは渡航費と材料費の捻出のため、助成金申請でバタバタと過ぎて行きました。


 


Kohachi3


 


 


 


私は『人(特に仏人)に期待しちゃダメよトレーニング法』の師範です。


 


 


 


こはち古墳(2)

2012.06.19 Tuesday

 


そんなこんなで海外派遣研修から帰国後、2009年12月に馬喰町にあったフォイルギャラリーで個展をさせていただきました。


個展のタイトルは『こはち -闇の生まれは 陽なたに眠る- 』。


つまり、


「暗闇から生まれ出た“こはち(私たち)”であるからこそ、旅を経て、最後に眠る場所は陽なたがふさわしい。」


これをベースに個展全体を構成。


 


展示の中心になる作品は、油粘土で作った立体作品。これも、“100分の1”マケットのつもりで制作しました。


今、サイズがすぐ出てこないのですが、幅と奥行きはだいたい150cm x 150cmだったと思います。


「どうやって(ギャラリーに)入れたのですか?」という質問ばっかり受けた記憶が…


他に、これまで描いてきた「こはち」の平面作品を30点前後。


 


こうして、初めての「“こはち古墳”プレゼンテーション的展覧会」を実現したのでした。


 


写真があんまりないんだよな... (ダメダメじゃん。)


 


Haka1


 


Haka2


 


Haka3


 


 


この頃の工場暮らしは寒がっだなぁ。


 


 


こはち古墳(1)

2012.06.13 Wednesday

 


Haka2NOSI


 


開催中のヴァンジ庭園美術館「庭をめぐれば」展。
そこへ『こはち古墳(1:17)』という屋外作品を出展しています。

この作品を始めたのは、文化庁の海外派遣研修でフランスに滞在していたとき。('08年9月〜‘09年8月)

滞在の前半は美術館やアートセンター通いの日々で、なんとなく悶々としていましたが、
半年が過ぎ、作品鑑賞欲が飽和状態になったころ、ちょっとキレ気味に
「死ぬまでに全貌が見えないくらい巨大な作品が実現したら、もうそれでいいや。」
と思ったことがこの作品のきっかけでした。
でももう中年だし、「死」がそんなに遠いわけでもない。
...んだば、すぐ始めねばなんね!

そうしてモントイユのアパートでマケット作りに取りかかりました。
油土から石膏へ型取り。
出来上がったら撮影です。


長辺が30cmくらいだけど、型取りしたての石膏は重い。石膏は小さいトランクに、カメラと三脚はリュックに入れ、えっちらおっちらRERに。


撮影場所はパリから一時間くらいのところにあるcentre d'art: Domain de Chamarande。


こうして一発目の『こはち古墳』が誕生したわけです。

同じ頃描いた絵は、その後売れました。(↑)
が、石膏はまだあるよ。うちの押し入れに。


 


写真


 


 


 


予定は無くとも始めます。


 


 


 


 


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